家族葬について


近年、葬儀の形は変わってきています。宗教には縛られず、ご自身の考え方やライフスタイルに合わせて生前から自分で葬儀をアレンジするという方も増えています。家族葬も、そんな葬儀の新しい形だといえるでしょう。しかし、家族葬という言葉は、はっきりと定義されているわけではありません。この記事では、家族葬という新しい葬儀の形について、マナーなども交えながら詳しく解説していきます。


家族葬は身近な人を送る葬儀

家族葬にはっきりとした定義はないとしても、漠然とした定義なら存在します。家族葬は、その字面を見てもわかるとおり、家族や親類を中心に、ごく身近な人たちだけで行われる葬儀です。家族葬では、故人やご家族の意志が反映しやすいという特徴はあるものの、多くの場合、一般的な葬儀と同様の流れで進められることが多いようです。

家族葬は、参列者の少ない、ごく小規模の葬儀ですが、だからといってかんたんに済ませられるということではありません。もちろん、費用は一般的な葬儀と比較すると、かなり安く済みます。しかし、参列者を限定するということは、のちに親類や、故人の友人との間にわだかまりを残すことになる場合もあり、葬儀を家族葬で行う場合は、よく考える必要があることは間違いありません。

小規模な葬儀にする場合でも、家族や親類だけではなく、参列を希望する人には参列してもらうなど、臨機応変に対応することは必要です。


家族葬はなぜ増えているのか?

家族葬という言葉は、90年代にはすでに存在していました。しかし、この言葉が一般的になったのは、21世紀に入ってからです。家族葬は、今世紀に入ってから段々と広まりはじめ、現在では、喪主の3~4人に1人が家族葬を行っています。これだけの割合ですから、「一般的な葬儀」が家族葬になることも時間の問題かもしれません。

家族葬は、人々の考え方やライフスタイルの変化により行われるようになったという話をしました。しかし、その裏にはさまざまな要素があります。その要素の中で大きなものを挙げるとすると、コミュニティ自体の変化です。特に地方では、昔はつながりが強固でした。地域の発展のために、みんなが手を取り合ってがんばるという意識がとても強かったのです。しかし、現在は、地方から都会へという人の流れが鮮明になっています。地域のつながり自体が、昔ほど強くなくなっているということは、葬儀の形にも少なからず表れているものと考えられます。

これは、大都市周辺で一般的に行われている葬儀にも見られた「変化」のひとつです。現在、大都市周辺の一般的な葬儀では、お通夜に仕事の関係者が出席することは当たり前になっていますが、お通夜は本来、家族や親類だけで行われるものでした。

日本が少子高齢化社会になったということも、家族葬という葬儀の形の広まりに拍車をかけた要因です。葬儀には、やはりまとまったお金がかかりますから、兄弟のいない核家族の子どもは、経済的な負担が大きくなります。長生きする人が増えたことは喜ばしいことではありますが、その一方で、故人の友人たちも高齢化し、葬儀への参列が難しくなっており、さまざまな理由が重なり、家族葬という小規模な葬儀が行われるようになったのです。

葬儀は、古代から行われてきました。その形は、時代に合わせて変わり続けて現在へと伝わっています。家族葬も、そんな時代に合わせて生まれた葬儀の形だといえるでしょう。


家族葬と密葬

限られた人たちだけが参列する葬儀ということであれば、それは「密葬」ではないのかとお考えの方もいらっしゃると思います。

密葬の場合、実はあとで本葬が行われます。つまり、この本葬に多くの人を招きます。財界人など、多くの人たちとつながりを持つ方が亡くなった場合に、家族や親族だけで密葬を行い、後日、本葬を行うケースはよく見受けられます。

ただ、その昔の密葬は、本葬を行わないことも多かったようです。現在、密葬と家族葬を分ける理由のひとつとして、家族葬は本葬があるのかどうかよくわからないという声が多かったことが挙げられます。家族葬なら、訃報を受け取った方も理解しやすいということが、この呼称が広まった要因ともいえるでしょう。


家族葬の主な流れ

すでにご紹介しているとおり、家族葬の流れ自体は、一般的な葬儀とほとんど変わりません。お通夜があり、その翌日に告別式、火葬を行う流れです。ただ、参列者が少ない分、一般的な葬儀よりも式の進行が早く、お通夜も告別式も1時間以内で終了します。


家族葬のメリットとは

葬儀の形は、時代に合わせて変わるものという説明をしました。変化にはメリットがある。だからこそ、このような形の葬儀が行われるようになったのです。もちろん、そこには弊害というかデメリットも存在します。家族葬で故人を送ることをお考えの場合は、メリットだけではなく、デメリットについても十分に考慮する必要があるでしょう。

少し重複する部分もありますが、まずはメリットからご紹介していきます。

故人とのゆっくりとした別れの時間が作れる

一般的に行われている葬儀では、多くの方がお通夜への弔問や、告別式に参列するため、なかなかご遺族は、故人とのゆっくりとした別れの時間を作ることができません。家族葬は、そんな一般的な葬儀のデメリットを補うことのできる葬儀です。家族葬なら、親しい人たちだけで、ほかの人たちの目を気にすることなく故人への思いをめぐらすことができるでしょう。

価値観にあった葬儀ができる

家族葬が行われるようになったのは、時代、そしてその時代に生きる私たちが望んだからです。現在、多くの人々が、自らの葬儀はかんたんなものでいいと考えています。宗教や風習などに縛られない自分の葬儀ができることも、大きなメリットだといえるでしょう。

葬儀費用を抑えられる

規模が小さい家族葬は、参列する人も少なくなるので、それに伴い、費用も抑えられます。

返礼品や料理にも臨機応変に対応可能

通常、返礼品や料理については、葬儀社に用意してもらいます。ただ、家族葬の場合は、参列者も少ないので、葬儀社に依頼せずにご自身でそろえる、もしくはまったく用意しないなど、臨機応変に対応を選べることがメリットです。

家族葬のデメリットとは

家族葬は、時代が要求した葬儀の形だとはいえ、そこにはやはりデメリットもあります。家族葬におけるデメリットについてご紹介します。

不満を抱く人が出てくる可能性がある

家族葬は、限られた人たちしか参列できないので、招かれなかったがために不満を抱く人が出てくる可能性があります。もちろん、喪主側にも事情があるわけで、これはなかなか難しい問題です。「お世話になったのでどうしても参列したい」「なぜ招いてくれないのか」などと感じる人が出てくると、トラブルにつながりかねません。これは家族葬のデメリットだといえるでしょう。

葬儀後の自宅への弔問が増加する可能性がある

葬儀を家族葬で行うと、不満を抱かないまでも、どうしてもお線香をあげたいと考える人は多いものです。彼らにとっても故人は重要な存在であり、お別れできなかった人たちがそうしたいと考えることは不自然なことではありません。このような人たちがたくさんいると、その都度、自宅で対応しなければならなくなるため、ご遺族の負担になります。故人の身辺整理や、相続のことなどにも取り組まなければならない時期に、弔問を希望する人が増える可能性があることはデメリットだといえるでしょう。

親族に反対される可能性がある

家族葬という葬儀の形がごく普通になりつつある現在ですが、まだまだ、そうではないとお考えの方もいらっしゃいます。保守的な考え方が多くを占める地域もありますので、そのようなエリアでは、親族に反対される可能性もあるでしょう。


家族葬では気遣いが重要

ご紹介したような家族葬のマイナス部分(デメリット)を少しでも減らすためには、喪主側の気遣いが重要になります。トラブルを避けるために、喪主としてできることについて考えてみましょう。



親族や友人への連絡

親族であっても、関係があまり良くないケースはあります。ただ、訃報に関しては、少なくとも故人の兄弟や姉妹に関しては知らせたほうがよいでしょう。故人の交友関係がよくわからない場合でも、年賀状を確認するなどして、訃報を知らせることはとても重要なことです。

本当に家族葬でよいのか考える

訃報を知らせる際、葬儀に参列する人の数について、しっかり考慮する必要があります。「あの人も、この人も」となってしまうと、家族葬ではなく、一般葬を選ぶべきケースもあるので慎重に考えましょう。

葬儀後の弔問に備えておく

ここまで慎重になっても、家族葬のあとに故人の死を知ったという人が出てくる可能性はあります。これは避けられないことなので、そのような人が出てくる場合に備えて、弔問に備えておくことが重要です。出席していただかなかった人には、できれば家族葬のあとに挨拶状を送っておきます。弔問があったときのために、返礼品も用意しておきましょう。


家族葬にかかるお金のお話

家族葬の費用は、100万円前後をみておくのが一般的です。お通夜や告別式、人件費、火葬のための費用、通夜ぶるまいの飲食費など、葬儀にはさまざまなお金がかかります。一般的な葬儀であれば200万円前後はかかりますから、やはり家族葬は経済的だといえるでしょう。もちろん、この金額は家族葬を一般的な葬儀のような形で行うことを前提としたものです。故人の希望が反映された自由な葬儀にするのであれば、費用は大きく前後する可能性があります。

ただ、葬儀の費用は、地域的に左右される傾向があり、大都市周辺をとると、家族葬は70万円前後で行われていることが多いようです。大阪吹田市の「みかづき」では、家族葬プランを448,000円(会員価格)からご用意しています。飲食費などを除き、葬儀に不可欠なものはすべてセットになっているので、ぜひご利用いただければと思います。


家族葬・遺族側のマナー

家族葬に誰を呼ぶのか?これはデメリットでもご紹介したとおり、なかなか難しい問題です。

葬儀に参列してもらう人の決め方

家族葬は、その名称のとおり、家族や近親者だけで行うことが一般的な葬儀なので、常識的に考えると、直系の家族、その子息や配偶者、兄弟姉妹には、参列してもらうとよいでしょう。とはいえ、はっきりとした決まりがあるわけではありません。基本的には想定している家族葬の規模により、参加者を調整します。10名程度を想定している場合は故人の配偶者や子ども、親や孫に限定したほうがよいでしょう。30名程度の大きめの家族葬とする場合は、故人のいとこや友人などにも出席してもらいます。ただし、これはあくまで目安です。故人と仲の良かった友人や関係の深かった人に関しては、優先してもよいでしょう。

訃報の連絡

訃報の連絡については、一般葬の場合と特に変わりはありません。訃報の連絡においては、葬儀の日程や会場について知らせます。ただし、葬儀に出ていただかない人に対しては、家族葬により執り行う旨、連絡するとよいでしょう。

会社関係への連絡

もし、故人が会社員であった場合は、会社やその関係先への連絡が必要となります。会社関係者の参列はなしに葬儀を行う場合でも、会社としてやらなければならないこともあるので、速やかに連絡しましょう。その際、「葬儀は家族葬で行うため弔問は辞退する」ことを伝えておくことが大切です。

また、ご遺族の場合でも、忌引休暇を利用できますので、制度の存在を確認したのち、上司に休暇を申し出ましょう。この際も、葬儀は家族葬で行うことを伝えます。

服装について

葬儀の際の服装は、家族葬でも一般葬でも同じです。家族葬では、近い関係の人しか参列していない場合もあるため、服装的にも自由かといえばそういうわけではありません。喪主や親族は、一般葬では「正喪服」と呼ばれるブラックフォーマルのスーツやワンピースを着用するのが一般的です。もちろん、必ず喪服を着なければならないというわけではなく、黒やグレーの落ち着いたスーツであれば問題ないことのほうが多いでしょう。一応、家族葬に参列する人とは、服装について話し合っておくことをおすすめします。


家族葬・参列する側のマナー

家族葬は、家族や親族など、近い関係の人たちだけで行う葬儀です。訃報を受け取った際に、「家族葬で」という文面があった場合は、基本的に葬儀には参列しません。訃報を電話などでご遺族から直接受けた場合や、葬儀の場所や時間の案内がある場合は参列します。

服装

服装については、一般葬と同様です。特に服装について指定されることがなければ、黒のスーツなど、地味な服装を着用しましょう。女性の場合も、スーツ、もしくはワンピースで、基本的には黒でまとめるとよいでしょう。

香典

家族葬でも、一応、香典は用意しておきます。ただし、ご遺族が受け取る意向を持っていない場合もありますので、その場合はご遺族の意向を尊重しましょう。家族葬では、香典を受け取らないご遺族も多いようです。金額については一般葬と変わりません。職場の関係者や友人の場合は5,000円程度、祖父母の場合は1万円程度、兄弟の場合は3万円程度、親の場合は10万円程度が相場です。

家族葬では、このようにご遺族が香典やお花を辞退することがよくあります。故人への思いもあるので、なかなか気持ちの整理が難しいかもしれませんが、ここはご遺族の意向を全面的に尊重しましょう。


吹田市・家族葬のみかづき

家族葬の「みかづき」は、大阪・吹田市にある葬儀社です。一日葬や家族葬などのシンプルな葬儀のサポートに力を入れています。葬儀の形が変化してきている今、家族葬はとても多くの人々から望まれている葬儀です。

「みかづき」には現在、4種類の家族葬プランがあります。詳細な部分ではそれぞれサービス内容が異なりますが、葬儀の際に必要となる「寝台車」「枕飾り一式」「仏衣」「お棺」「霊柩車」「火葬場手続き」「司会進行」などはすべて含まれております。

葬儀はシンプルな方向に向かっているとはいえ、故人を送る気持ちに変わりがあるわけではありません。葬儀に関する事前相談も承っております。吹田市周辺にお住まいの方は、ぜひご利用ください。


まとめ

家族葬について詳しくご紹介してきました。家族葬は、ご遺族にとっては故人との別れの時間をゆっくり過ごせるというメリットがありますが、故人と関係が深かったにもかかわらず、葬儀に参列できなかったという人が出てきてしまう可能性があることには留意しましょう。葬儀参列者の人選は慎重に行うとともに、参列できない人への配慮も欠かせません。

訃報を受け取る立場になった場合には、極力、ご遺族の意向に合わせて行動することが望まれます。