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納骨のやり方は?納骨方法や納骨式の流れについて解説

亡くなった人の遺骨をお墓に納める儀式である納骨は、大切な故人への気持ちに区切りをつけて前に進むために重要な役割を果たしています。しかし、具体的な手順や流れを詳しく理解している人は少ないかもしれません。本記事では納骨の基本的なやり方から、納骨式の流れや準備すべきことについて詳しく解説します。

目次


納骨のやり方を5つ紹介

お墓と聞くと家族みんなが入る墓石を建てたものがイメージされますが、それ以外にもさまざまなお墓や納骨方法があります。以下で紹介するお墓の種類別の納骨方法を見て、それぞれどのような特徴があるのか把握しましょう。



1.一般墓

一般墓とは、納骨するためのお墓の中でもっとも一般的な方法です。先祖代々継承している土地やお墓に、家族や親族のお骨をまとめて埋葬して管理します。お墓と聞いて通常イメージされるものが一般墓です。一般墓では墓石を建て、その下のカロートと呼ばれる空間に遺骨を安置します。カロートの構造は地域によって異なり、遺骨を土には還さず骨壺ごと埋葬するもの、骨壺から遺骨を取り出して土に還せるもの、カロートが地上にありそこに遺骨を埋葬するものなどがあります。遺骨を土に還すかどうかで、カロートの下部が石であるか土であるか構造が変わります。一般墓は馴染み深く家族の同意を得やすかったり、納骨前にご住職から読経してもらえたりなど、安心感のある方法です。一方、墓石は費用が高く、親族に管理の負担を負わせることになるなどのデメリットもあります。



2.納骨堂


納骨堂での納骨は、遺骨が入った骨壺を専用の建物で安置する方法です。寺院の堂内に設けられているものから、納骨堂だけで単独の建物が設置されている場合もあります。納骨できる人数は、個人からご家族複数人までどちらも対応可能です。納骨堂のスタイルはさまざまあり、ご希望に合ったものを選べます。寺院に多いひな壇に遺骨を並べて安置するタイプ、扉や鍵がついたスペースにそれぞれ安置するロッカータイプ、上段に仏壇や位牌を置いて下段に遺骨を置く仏壇タイプなどがあります。納骨堂には管理期間が決められており、満了時には契約更新をする必要があります。一方、ほかの納骨方法と比べると納骨費や管理費は比較的安いです。また、アクセスしやすい場所にあることが多いため、気軽にお参りもしやすいことも利点です。



3.永代供養墓

永代供養墓では、霊園や墓地の管理者が遺族の代わりにお骨の供養や管理をします。十回忌、十三回忌、三十三回忌など区切りのよい期間まで遺骨を骨壺に入れた状態で安置して、契約期間が満了したら他のお骨と一緒に合祀します。「永代」という言葉がついていますが、一般墓のように子孫の代まで継承できるわけではないことに注意しましょう。永代供養墓は、納骨堂や樹木葬での納骨に似ている点があります。納骨堂との違いは、管理費などは必要なく代わりに永代供養料を支払うことです。また、樹木葬との違いは契約期間満了後に合祀される際に、自然葬に限らず慰霊碑や納骨堂のもとで合祀される場合があることです。永代供養墓は少子高齢化や核家族化が進む現代において、お墓を継承する親族がいない方や家族に負担をかけたくない方でも、安心して遺骨の供養や管理を任せられる方法です。最終的には他の方と一緒に合祀されるため、よく考えてから契約を決めましょう。



4.手元教養

納骨の仕方には、遺骨をお墓や納骨堂には入れずに自宅などの手元に置ける範囲で管理する方法もあります。手元供養では、寺院での読経や法要、納骨式などを行う必要はありません。納骨の方法も遺骨のすべてを手元供養する全骨と呼ばれる方法と、一部はお墓などに入れて残りを手元においておく分骨という方法があります。また、手元供養の遺骨管理の仕方もさまざまあります。小さな骨壺に入れて自宅の仏壇に置いたり、粉末状にした遺骨をネックレスやキーホルダーなどに入れて持ち歩いたりができます。遺骨を加工してくれる業者などもあるため、専門店に依頼してみるのもよいでしょう。遺骨を身近な場所に置いておける手元供養は、故人の面影をいつも側に感じられることがメリットです。また、遠くまでお墓参りに行かずとも自宅でいつでも供養でき、費用が安価なことも嬉しいポイントです。一方で自宅に遺骨を置くことは、家族の理解を得られない場合もあります。手元供養をしたい場合は、身近な人にその旨をきちんと伝えましょう。



5.樹木葬

自然に近い方法で納骨をしたいなら、樹木葬がおすすめです。樹木葬とは、墓石の代わりに樹木や草花を墓標にするお墓を指します。サクラやハナミズキ、ヤマツツジ、クスノキなど、希望するシンボルツリーのもとで遺骨が安置されます。樹木葬の埋葬方法は主に3種類に分けられ、個別埋葬、家族埋葬、合祀埋葬から選べます。個別埋葬は一人ひとりの専用区画に、家族埋葬は家族単位の埋葬区画に、合祀埋葬は共有区画に遺骨が安置されます。ただし、個別埋葬と家族埋葬も一定期間が過ぎると最終的に合祀されるため、注意が必要です。樹木葬は継承のいらない永代供養のお墓であるため、維持管理の手間がかかりません。また、美しい草花のもとで自然に還る納骨方法は、里山など自然環境の保全にもつながります。樹木葬は里山型と霊園型の2タイプがあり、それぞれ特徴が異なります。



里山型

里山型樹木葬は墓地としての許可を取得した山林などで、遺骨が土に還る形で埋葬する納骨方法です。自然の力で分解される骨袋や骨壺に遺骨を入れたり、粉骨した遺骨を直接埋葬したりして納骨します。里山型だからといって、必ず人里離れた山林で土に還るわけではありません。一定期間が過ぎたら骨壺を取り出し、合祀墓に埋葬してもらうことも可能です。また、里山型は霊園型と同じようにシンボルツリーを選べます。申し込み時に希望の樹木を選んで新たに植える方法と、山林に自生している樹木のもとに埋葬する方法があり、好きなほうを選べます。里山型樹木葬はより深い自然の中に納骨されるため、自然回帰の意味合いを強く感じられます。広い敷地が必要なため、郊外や山奥に設置されることが多いです。お墓参りは大変になりますが、静かな場所で眠りたい方や自然派志向の方にはピッタリです。



霊園型

霊園型の樹木葬は、寺院や霊園の中に専用エリアが設けられている樹木葬です。里山型よりも数が多く、樹木葬と聞いて一般的にイメージされるものが霊園型樹木葬です。自然の土地や植生をそのまま活用する里山型とは異なり、墓地用に造成整備された区域で植樹や埋葬を行います。霊園型樹木葬での納骨方法は、申し込みごとにシンボルツリーを植えてそのもとに納骨する場合と、もともとあるシンボルツリーの周辺に納骨する場合があります。専用区画に納骨する場合は骨壺ごと安置して、その後合祀する際に粉骨して埋葬されます。霊園型樹木葬は里山型よりも費用が高い傾向にありますが、コンパクトな土地に設けられるため都内などにも多くアクセスしやすいです。また、園内も綺麗に整備され緑や花などが満ちた明るい空間演出がなされているため、お墓のひっそりとした暗い雰囲気が苦手な方にぜひおすすめできます。


納骨の時期

納骨の時期に厳密な決まりはありませんが、残された方が前に進むためにもあまり長く置いておかないほうがよいとされています。以下では、納骨に適したタイミングを紹介します。


一周忌や三回忌

納骨の時期としておすすめなのは、一周忌や三回忌のタイミングです。一回忌法要では親族や友人など多くの人を招くため、納骨を行う時期に適しています。また、一周忌は喪明けの時期でもあり、納骨をすることによって故人への気持ちを整理できます。一回忌までに納骨をしなかった場合は、三回忌までに行うのが一般的です。時間をかけて納骨方法を選べます。


四十九日

すでに決まったお墓を持っている場合は、四十九日法要のときに納骨を行うことが多いです。法要が終わると故人の魂は冥界に向かうため、四十九日は故人の魂がこの世にある最後の日といえます。忌明けを迎える重要なタイミングでもあるため、自宅にある遺骨をお墓に移すのによい時期です。


納骨の流れ

お葬式や火葬が終わったら、四十九日や一回忌に向けた納骨の準備を行います。納骨はどのような流れで行い何が必要なのか、以下でご覧ください。


お墓を決める

納骨の際はまず、どのようなお墓に遺骨を納めるのか決めましょう。一般墓を建てる場合は、墓地の選定をして石材店から見積もりをもらいます。納骨堂や樹木葬などでの安置を考えている場合は、親族と話し合いながら受け入れ先を探しましょう。どちらの場合もお墓参りや管理のしやすさを考えながら、納得できる方法を選びましょう。


納骨に必要な書類を準備する

納骨するためのお墓を選んだら、必要書類を入手しましょう。納骨の際は、「遺骨埋葬許可証」と「墓地使用許可証」が必要です。遺骨埋葬許可証は、遺骨埋葬のときに墓地や納骨堂の管理者に提出します。墓地使用許可証は霊園などから発行される書類で、納骨する区画が契約済みであり使用できることを示します。


納骨式の流れ

故人を悼み遺骨をお墓に納める大切な行事である納骨式は、ミスや不安なくやり遂げたいものです。以下では納骨式の流れや当日やることについて、項目ごとに詳しく解説します。納骨式の疑問や不安を解消するために、ぜひ参考にしてください。



施主挨拶

納骨式でははじめに、施主から参列者へ挨拶を行います。足を運んでくれた親族や友人に向けて集まっていただいたことへの感謝、生前受けたご厚誼へのお礼、遺族の近況や心情について伝えます。また、納骨式が終わった後に会食がある場合は、このタイミングで案内しましょう。納骨式を執り行う施主は始まる30分前には到着しておき、挨拶の前に事前準備を行うことも重要です。お墓にお供え物を並べて、ろうそくやお線香などが揃っているかも確認しましょう。



読経

挨拶が済んだら、ご住職に読経をしてもらいます。読経とは、故人が無事に成仏することを祈って僧侶がお経を読むことです。納骨式での読経は通常お墓の前で行いますが、室内に移動してからお経を読んでもらう場合もあります。ご住職に読経をお勤めいただいているあいだ、施主や参列者は故人を偲びながら合掌をします。読経の時間は一般的に15分から40分ほどといわれており、詳しい時間は宗派の種類によっても異なります。



納骨

読経が終わったら、いよいよ納骨を行います。墓石や遺骨を納めるカロートは重いため、開閉は石材店に任せましょう。遺族が開ける場合は、お墓の種類に合わせて正しい開け方をしてください。納骨の方法は地域の風習などによって異なり、骨壺ごとカロートに納める方法と、骨壺から遺骨を取り出して納骨袋などに入れた後に埋葬する方法があります。また、遺骨を置く場所は新しいものが入口側に来るように置きます。卒塔婆を立てる場合も、納骨と一緒に行います。



焼香

納骨後はもう一度読経をしてもらったり、ご住職の指示を受けて焼香をしたりします。焼香とは、仏様や故人に対してお香を焚いて拝むことです。穢れを払い心身を清らかにする、故人や仏様に匂いをお供えする、この世とあの世をつなげて想いを届けるなどの意味があります。焼香は施主、親族、一般参列者の順番で行います。作法としてはまず焼香台の手前で遺族と僧侶に一礼したあと、焼香台に進み一礼します。数珠は左手にかけ、右手で抹香をつまんで額に押しいただきます。回数は自身の宗派に従い、わからない場合は3回繰り返すのが一般的です。焼香が終わったら合掌し、遺族に一礼して席に戻りましょう。



会食


会食は必ず行わなければならないわけではなく、納骨式の時間帯などにもよりますが、大抵の場合は納骨式後に行われることが多いです。会食は寺院や料亭やレストランなどで、僧侶や参列者と一緒に行います。ご住職が辞退された場合は、お車代と御膳料をお渡しします。会食のお店に移動して参加者が揃ったら、まず施主が挨拶をします。内容としては参列いただいたことに対するお礼や故人の生前の心情、遺族としての今後の決意や過ごし方などを話します。挨拶はあまり長くなりすぎず、2分以内に収めるように心がけましょう。また、挨拶をして献杯をする際は、故人の位牌の前にもお酒を注いだ器を置いておきます。会食中は宴会のように大きな声で飲み騒ぐことはせずに、故人との思い出などを静かに語り合いましょう。よい時間になってお開きになる頃には、施主からもう一度挨拶をします。参列のお礼などを伝え、香典返しを渡したら納骨式は完了です。



まとめ

納骨の方法はお墓の種類ごとに分けられ、遺族がお墓を管理する一般墓と、他者がお墓を管理する永代供養墓や納骨堂や樹木葬などがあります。自宅など身近な場所で遺骨を管理したいなら、手元供養もおすすめです。納骨の際は、親族や友人を招いて納骨式を開きます。挨拶から始めて読経や納骨や焼香のあと、会食をもって終了します。



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